私たちが歯科治療で大切だと思っていること
「何事に対しても丁寧な仕事をする」これは私が歯科医師になってから20年以上守ってきていることで、私の基本的な姿勢です。
歯に関するほとんどの病気は、食生活を中心とした生活習慣の乱れから生じています。私たちは、そのような病気の原因を患者様に正しく理解していただけるよう日々努力しています。そして患者様が同じ病気になるべくならないように、原因論から追求し、科学的根拠に基づいた治療をすることが、くりの木歯科の治療方針です。
もちろん患者様の今現在の症状を見て、いち早く治していくことは言うまでもありませんが、その後同じ病気にできるだけかからないようにしていただきたいと思っております。
その場限りの応急処置を繰り返すことで、せっかく助かるはずの歯が最後には抜歯しなければならないことはたくさんあります。時間はかかりますが、将来を見越して問題点を一つずつ解決していき、健康な状態を少しでも長く維持していただくのが私たちの願いです。
心とふれあう
当院の治療コンセプトを実現するために最も重要なのは、患者様と私たちとの信頼関係です。お互いが疑心暗鬼ではどんなに素晴らしい治療を行っても病気はよくなりません。より良い信頼関係の構築のために私たちは次の事柄を常に気をつけて診療しています。
コミュニケーション
初めて会った歯科医師に自分の口の中を見せるのにはとても勇気がいります。歯が痛くて不安なのに、相手が何者なのか、何をされるのか分からないのですから当然です。
くりの木歯科では、患者様とのコミュニケーションが最も重要であると考えています。
それには時間がかかるかもしれません。言葉以外の行動が必要かもしれません。人と人との相性もあるでしょう。十人十色いろいろな対応があると思います。
建物のイメージ、室内の雰囲気、歯科医師やスタッフの表情など、話しやすい環境作りに常に気をつけています。歯科医師に話しにくいことはスタッフが承ります。どうぞ勇気を持ってお話しください。
そのために、私たちが何を考えて「くりの木歯科」を開設しているのか、このホームページでじっくりご覧いただければと思います。
あなたの声をお待ちしております。
インフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントとは、十分な説明を受けた上で納得して同意するという意味です。
医療の現場において、治療される側、すなわち患者様の権利を保護するための概念として最近定着してきました。
しかし、単に説明を受け、同意するだけで良いのでしょうか? 他に行ったらもっと良い治療法があるかもしれません。あるいは自分に合った治療法が他にあるかもしれません。 また、よく分からなかったのに返事をしてしまったのかもしれません。
くりの木歯科では、患者様の病気に対する(あるいは健康に対する)考え方、価値観をできるだけお尋ねし、それにあった治療の方向をいくつもご提示させていただいています。
また、ただ言葉で説明するだけでなく、いろいろな資料や写真、DVDを見ていただきながら、分かり易くお伝えする努力をしております。
そして、一番大切なのは、患者様ご自身がよく納得した上で、ご自分で良いと思う方法を選択して、その上で治療を受けるということなのです。 (もちろん治療を受けないという選択肢もご自由です)
初診時のコンサルテーションだけでなく、それぞれの治療ステップでこのインフォームドコンセントを実施してまいりますので、「面倒だから、お任せします」とはおっしゃらないでご自身のお身体のことをお考えください。
チームアプローチ
チームアプローチには2つの形があります。
ひとつは違う分野の医師・歯科医師が連携をとって一人の患者様の診療に当たるというものです。
当院では大学病院と密接に連携して、いろいろな専門医と治療に当たっています(後述)。
もうひとつは、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士という3つの歯科医療従事者による連携です。
これは一つの歯科医院の中で普通に実現できるチームアプローチのようですが、実際は大変困難な事柄です。
従来、開業歯科医院では、院長=歯科医師が頂点に君臨し、他の医療従事者はただ、その指示に従うだけで自らの判断を生かす場面がなかったからです。
くりの木歯科では、大学職員として歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士が対等に仕事をしてきた経験を生かし、お互いが同じ患者様のために何をすることがベストか意見を交換しあい、密接に連携して最大の治療効果を生み出すシステムを、私たちのチームアプローチとして構築しつつあります。
たとえば、歯科衛生士がお口のケアについて歯科医師から説明を受けた以上の内容について、お話したり指導したりということがあると思います。私たちは、それぞれの職種のプロとして患者様にベストをつくします。
癒しの空間
当院では、患者様にできるだけリラックスして治療に専念していただけるように、また、医療事故防止のために次のような対策を実施しています。
エアーコンディションとアロマセラピー
適度な室温と湿度を保つようにコントロールしています。治療中、大きなお口をずっと開けていなくてはいけない歯科の診療室ではのどが乾燥して痛くなることがないように、適度な湿度を保つことが大切です。ユニットごとにアロマ・ディフューザ機能付きの加湿器を設置し、適切なエアーコンディションを保っています。
アロマコーディネーターのアドバイスによる「アロマ診療」を実施しております。治療に際し、極度に緊張されてしまう方、痛みや不快感に対して敏感な方はぜひご相談ください。アロマセラピーは、ハーブなどの植物から摘出したエッセンシャルオイルの香りと成分を活用した自然療法です。心や体の不快な状態を改善し、本来、人間のカラダが持っている自然治癒力を高めます。ハーブの心地よい香りで、心と体のバランスを整えることで、快適な診療を実現します。
プライバシーを守れるように大きなパーティションを設置しています。隣の患者様からは全く見えないように区切られていますが、十分なスペースを確保し、パーティションのデザインもガラスブロックとおしゃれなアクリルタイルをアレンジして広さと解放感をもたせています。
患者様への侵襲を軽減する取組み
虫歯の治療には必要最小限の歯の削除量で治療するMI(Minimal Intervention: 最小の侵襲介入)の技術を導入しています。そのためには歯に強力に接着する接着剤の使用が前提です。当院では特に接着力が発揮できるように材料の組み合わせに注意を払っています。
極細針の電動注射器
くりの木歯科では、麻酔時の痛みを少しでも軽減するため以下の事を行っています。
- 麻酔時には刺入前にゼリー状の表面麻酔を塗布しています。
- 針を刺した時の痛みが非常に抑えられる極細針の電動注射器を使用しております。
デジタルX線システム
最新のデジタルエックス線システムにより、従来のエックス線量の数分の一という身体に優しいレントゲンを使用しております。また、撮影後、診療室の各ユニットのモニターですぐにご覧になれます。
接着剤は虫歯の再発を防ぎ、脱離しにくいフッ素含有のものを用いています。
患者情報の管理を電子カルテとバーコードを利用して確実に行っています。電子カルテには診療録だけではなく、治療計画書、他医療機関への情報提供記録、デジタルX線写真データ、口腔内写真等の画像データ、歯周病検査等の検査データ、処方内容を含む投薬データ、歯科技工指示書、会計情報、予約データが連動しており、正確な記録の保存管理ができています。適正なセキュリティプロトコールを設定しており、データの改竄、漏洩に対しても十分な対策をとっております。
大学病院など高次医療機関との連携を活用して、患者様に最大の利益を確保できるように努力しています。歯科といってもその分野はかなり広く、一人の歯科医師にできることは限られています。院長はクラウンやブリッジの専門医ですが、一般の歯科治療も長く携わってきているので一定レベルの治療はできると自負しております。しかし、口腔外科の特殊な病気の治療や歯科矯正についてはそれぞれの専門医にお任せしないとできません。
当院では、できるだけ広い分野で的確な診断ができるように日ごろから研鑽を積んでおりますが、特殊な治療については、患者様の利益のため、積極的に高次医療機関へご紹介しています。また、そのための太いパイプを常に維持するように努力しております。
また、歯周治療についても重度歯周疾患に外科的な治療を必要とする場合は、大学から歯周治療の専門医に応援に来ていただいております。チームアプローチのひとつの形としてこうした連携は当たり前の時代になりました。
安心して受診していただける環境をこれからも維持してまいります。精密な操作が必要な場面では、歯科用拡大鏡を使用して診療しています。歯科治療の中には数十μm(1/100mm)オーダーの精密な作業を要求されることがあります。当然、肉眼での処置には限界があるのですが、従来はあまり気にされていませんでした。当院ではMIの概念により治療を行うため、歯科用の拡大鏡を使用して歯を削ったり、詰め物を調整したりしています。見慣れないと異様な光景ですがご理解をお願いいたします。
院内にAEDを設置するなど、緊急時の救急蘇生のための設備を整えています。また、スタッフは毎年講習会に参加してトレーニングを積んでいます。
高レベルの感染予防対策 [次項]
院内感染予防対策
治療器具でディスポーザブル(使い捨て)の器材を利用できるところには積極的に利用しています。メス、縫合針、注射針、注射液、エプロン、コップ、タオル、手術着、防護布、手袋、マスク、帽子などがブィスポーザブルです。また、デジタルエックス線用フィルム、口腔内カメラや光照射器などお口の中に入る器具はディスポーザブルのカバーを使用しております。
全ての治療器具の滅菌・消毒を徹底しております。治療用の器具のほとんど全てをオートクレーブで滅菌して使用しています。滅菌パックにインディケーターを貼って滅菌が確実に実行されか確認しています。歯を削るドリルの先端に付けるダイヤモンドポイントやリーマー・ファイルなどの小さな器具も滅菌されたものを患者様ごとにパックを開封して使用しております。ドリル自体も毎回専用の滅菌装置で洗浄・滅菌し、ローテーションで患者様ごとに交換して使用しております。
手洗いと手術用手袋の着用を励行しています。マスクはもちろんお口の中を直接触る手指の消毒は重要です。患者様ごとに薬用手指消毒剤で丁寧に手洗いを行い新しいグローブを着用するようにしております。 天然ゴム、ラテックスアレルギーの方は手袋で唇などに発赤が出ることがありますのであらかじめお申し出ください。
大型口腔外バキュームにより治療中に巻き上がる水滴や削りくずなどの粉塵を強力に吸引し、濾過しています。多少騒音がしますが、効果は顕著です。 歯科治療中の削りかすは猛スピードで口の外に飛ばされます。金属冠を削った切りくずが天井に刺さる勢いです。お口の中の細菌も水滴と一緒に周囲数メートルに散らばります。これをほとんど全部吸引することができるので、診療室の中に細菌が飛び散るのを防止できます。
新型インフルエンザ対策として、診療室の入口に速乾性手指消毒剤を設置しています。また、パウダールームにはポピドン沃度系うがい薬を用意しています。是非ご利用ください。
待合室には、空気中のウイルスや細菌を死滅させる働きがある高純度オゾン・高濃度マイナスイオン発生器を設置し、感染防止と森林浴のようなリラックス効果のあるきれいな空気を満たしています。